| Home > 普遍のテクニック エスキス/Page4 問題とエスキス |
| 設計課題名のフォーマット |
■ 設計課題の題名は、以下の形式で発表されます。
「○○○ + △△△」
「従属的なこと + 主たる用途」
平成12年度 「世代間の交流ができるコミュニティセンター」
平成16年度 「宿泊機能をもつものつくり体験施設」 |
課題の題名を率直にとらえ、用途の構成や要素(所要室等)を勉強しておけば試験に対応できます。課題ごとの計画条件や要求事項などについては課題の題名からは予測不可能ですが、基本的な実力があれば対応可能であるように問題は作成されています。実際にどのような条件設定や要求事項で出題されるか?に受験者は興味津々ですが、指導者を含み様々な憶測をしてしまうようでは試験は乗り切れないかも知れません。
■ 平成16年度の実施課題を例にとってみます。 設計課題 「宿泊機能をもつものつくり体験施設」
「ものつくり」は沢山のカテゴリーがあるので、すべての「ものつくり」に精通した知識を受験者が得るのは不可能です。ですから、「ものつくり部門」では要求事項からの計画性を求められると考えましょう。また、計画において特定の「ものつくり」に精通した知識が必要な場合は、要求事項に明確に記述され、このことについての適切な処理を求められます。宿泊機能については、宿泊施設のある複合用途の計画実例を見て、部屋構成や動線分離がどの部分で成されているかを見ておけば十分でしょう。
< 平成16年度 試験前の情報 >
■ 追加要素
敷地周辺の環境や外部施設、豊かな空間を創るために何らかの要素が追加されます。これらの追加要素は計画に負荷を与えるものではなく、建物のプロポーションを決めやすくするものとして考えてください。追加要素をどのように計画すれば、利用者にとってより適切なのだろうか?を考えることで、基礎的な力を持った計画として採点者に伝えることができます。
昨年度は「屋外自由通路」が追加要素でしたが、通路の軸線が南北方向に通るということで計画は限定されてきます。「屋外自由通路」を軸として計画を展開していくところで実力の差が出てくるわけですが、自分の処理能力が要求事項に対して上回っていれば、エスキスの時間短縮と適切な計画が約束されます。
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| ■ T.設計条件 |
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| ◆ 建物の使用のされ方と全体を通しての要求事項 |
計画建物の特徴から始まります。次ぎに建物全体の利用形態や建物の構成が簡潔に書いてあり、計画の骨格に相当する内容が書かれています。この部分も例年フォーマットが決まっていて、
指示していますので、そのように計画しないと不合格になります。たとえば、「○○をに配慮した計画」とあれば、「配慮」されていることが採点者に伝わらなくては「ランクU」より上の評価になることはないでしょう。
また、直接的に計画内容を指示するものとは別に、これ以降に書かれている要求事項(所要室の特記事項など)と合わせて考えることによって計画の方向性が明確になるような指示内容もあります。
■ 平成10年度の実施課題で、〜の機能を「適切」に結びつけた計画とする。と書かれていましたが、この時点で具体的な処理を思いつかないのは実力不足でしょうか?
それで結構と思います。「事務所部門、展示部門、多目的ホール 〜 適切に結びつけた計画」という要求に対して具体的な処理方法を考えるのは困難です。「事務所、展示部門、多目的ホール」の利用形態に決まりはなく、課題ごとに自由に設定されます。ですから、どうすることが「適切」なのかは、この部分より以降に書かれている所要室等の特記事項を読まないと解らないと思います。事務室一つとっても課題ごとに様々な利用形態があるわけですから、過去問で得たような知識と混同してはいけません。
■ 利用形態についてもう少し。
前項で述べたように、各室の利用形態は課題ごとに様々な設定がされます。例えば「通り抜け通路」の機能を持たせる場合でも、アトリウムを併用したものや、通路機能をメインとして敷地内の外部施設へアクセスできるものなど、課題単位で自由に設定されます。ですから過去問でタブーだったことが、ある課題では適切となる場合もあるということです。大切なのは、試験中に類似性のある過去問を思い出して過去問に頼った計画するのではなく、本試験での要求事項を率直に見極めて計画することに集中することです。
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| ■ 1.敷地及び周辺条件の整理 |
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| ◆ 敷地条件の基本整理 |
- メインのアプローチを敷地の周辺状況から判断して敷地図に記入してみる。
- 建ペイ率より max の建築面積算出
- 容積率より max の延べ床面積を算出
- 建物の外形ラインを敷地図に記入してみる (まさに大枠でよい、実際と合おうが違おうがイメージの助けとなる。おまじない)
- 敷地に高低差がある場合 (後に記述されるハートビル法関連に配慮で○)
高低差が大きい場合は階で処理してみる。
高低差が小さい場合はフロア−内に段差を設ける。
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| ◆ 駐車場などの整理 |
- 駐車場
・駐車スペース 2.5m×5.0m、車路6m以上、身障者用 3.5m×5.0m
・対面駐車と片側駐車形式の2タイプは覚えておく。
・まとまった台数が必要な場合は建物の外形に影響します。
・サービス用駐車場には、管理部門への訪問者だけでなく、宅急便や機械メンテナンスのための荷卸スペースも必要ですのでギリギリのスペースでは機能を果たしません。
駐車場の出入り口の想定 以下チェック事項
- 交差点の曲がりから角5m
- 横断歩道の端から5m
- バス停から10m
- 児童施設等の出入り口から20m (スクールゾーンなどには出入り口はとらない)
- ※a〜dは、車路を含む駐車場の面積が500u以上の場合に車の出入り口を取ってはいけない部分ですが、知識として参考にして下さい。
- 敷地周辺の歩行者にとって安全な出入り口の位置か?
- 来館者の歩行者動線と車の通路は区切れるか?(植栽等)
- 道路境界周辺に植栽はとれるか?
- 駐輪場
駐輪スペース 2m×0.5m、通路2m
対面駐車と片側駐車形式の2タイプは覚えておくこと。
まとまった台数が必要な場合は建物の外形に影響します。
駐輪場の配置位置想定
- メインアプローチからアクセスしやすいか?(距離的なこと)
- 道路境界周辺・動線分離に植栽をとる。
- 駐車台数が少ない場合は、行き当たりバッタリの計画で納まる場合もありますが、敷地境界線と建物との空き寸法があまりとれない場合は、エスキスの初期段階から注意しておきます。
- 利用者や管理者にとって利便性の高い配置計画であれば良いでしょう。一般駐車施設の付近に建物出入り口があるとか、サービス用駐車施設の付近に管理動線や機械室があるとかの「関連ストーリー」が解るようなエスキスであれば十分です。サービス用駐車施設は計画によっては2ヵ所に配分されることもあります。いずれにせよ「駐車施設に関連する事項の相互配置」が明確であれば良い。
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| ◆ 高さ制限は際どいか? |
- 階高設定
- 以降の計画作業で階高や建物配置がシビアになるかどうかのチェック。高さ制限に余裕があれば問題がひとつ片付く。
- 道路斜線
勾配 住居系 1.25、商業、工業系1.5 (法文の”2Aかつ35m”を忘れないように)
道路境界から建物を2mバックしたとして、建物の高さを出してみる。
例1) 道路幅員15m+2m+2m=19m 19m×1.25倍=高さ23.75m
建物は3階建てと指定されているので建物配置と高さは余裕があるな・・・
例2) 道路幅員12m+2m+2m=16m 16m×1.5倍=高さ24m
建物は7階建てと指定されているので 24m÷7階=3.4m いけそうだ。
例1、例2とも道路境界から2m建物をバックしていれば、高さ制限にかかる事はないので以降の作業が楽になります。(駐車スペースなどがある部分ではもっと余裕がでます。)
注意点(いつか出そうで心配な事)
外壁の後退距離はここからだよ!
- 屋根のあるゴミ置き場などが5uをこえる場合はセットバック距離は建物からではなく「ゴミ置き場」からとなる。
- 庇等は高さ5m以下で、道路境界から1m離れていないとセットバック距離は庇等の先端より。
- 建築物の部分で高さ1.2.mをこえる部分。
道路に勾配があった時
- 高さとは前面道路の中心からなので、もし道路勾配があれば斜線制限も道路勾配と平行に上下します。
- 隣地斜線
中高層住居専用地域と住居専用地域 20m+1.25倍、商業系31m+2.5倍
隣地境界から建物を2mバックしたとして、建物の高さを出してみる。
例1)2m+2m=4m 20m+4m×1.25倍=高さ25m
隣地との高低差のある場合や公園などがある場合は法規の参考書などで思いだして下さい。
- 北側斜線
低層住居と中高層住居専用地域のみ適用、低層系5m+1.25、中高層10m+1.25
隣地境界から建物を2mバックしたとして、建物の高さを出してみる。
例1)5m+2m×1.25倍=高さ7.5m (ペントハウスも突出しない事、2mバックの倍読みは出来ないので注意)
道路境界から建物を2mバックしたとして、建物の高さを出してみる。
例1) 道路幅員12m+2m=14m 5m+14m×1.25倍=高さ22.5m
(ペントハウスも突出しない事と、2mバックの倍読みは出来ないので注意)
隣地との高低差のある場合や公園などがある場合は法規の参考書などで思い出して下さい。
- 絶対高さ制限
低層住居専用地域 10mか12mで指定される。文字通り”絶対”なので北側斜線が満足していようが道路境界からセットバックしていようが関係なしに、建築物の頭を10mか12mでカットする決まり。(ペントハウスは5mを超えると高さに算入されます。)
- その他 斜線制限はクリアしていても付近の建物の高さに合わせ、街並みを優先させるような課題も出るかも知れません。このような憶測で受験者を不安にさせるのは受験産業的でよくありませんが、いつもの練習課題と同じような内容と思い込まず、柔軟な気持ちを持って計画に接することを心がけておけば十分です。
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| ■ 2.建築物 |
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| ◆ 構造、床面積、ハートビル、設備 |
- 建築物の構造種別と階数
- 床面積の合計チェック 例年通りならば、この部分もフォーマットがあり、
と表現されています。この面積の範囲の中間の値が今後の作業の面積的な目安になるのでので、中間の面積をメモ書きしておきます。
■ 延べ面積の「範囲指定」は課題によって範囲の幅が違うようですが、何か根拠があるのですか?
試験課題や一般的な建築では、階の構成は次の2タイプになります。
- 低層建築 (2〜3階程度)
- 中層建築で基準階併用 (2階までが複合用途で、3階から7階までが集合住宅や事務所用途の「基準階」となるような計画) ※ 「基準階」 ここでいう基準階は、同じ平面を2層以上重ねたもの。
実務でも同じことなのですが、
- の低層建築では人それぞれの計画で面積の誤差は大きく
- の中層建築では低層建築に比べて誤差は少なくなる傾向にあります。
計画する人によって面積が違ってくるわけですが、いろいろな用途の室がある低層建築にくらべ、中層建築の基準階では、面積的な効率(廊下等)を求められることが多くその結果、延べ面積の範囲指定が縮まる傾向にあります。
例1) 平成10年 多目的ホールのある事務所ビル 7階(3〜7階が事務所)
4000〜4500u 中間値 4250u 誤差6%以内になる。
例2) 平成14年 屋内プールのあるコミュニティ施設
2300〜2800u 中間値 2550u 誤差約1割
この例からわかるように、やみくもに1割の誤差までは大丈夫!なんて考えてしまい、事務所ビルの効率悪い計画をしてしまうと、低層部の面積がギリギリになってしまい、エスキスが難しくなります。
誤差の要因は、廊下等の通路面積が主に関係していますが、初めて見る本試験の問題に対して、適切な計画のための廊下面積の逆算はまず不可能です。また、廊下面積の仮定によって適切なプランが達成されるわけではなく、適切なプランの廊下面積は必然的に適切となることを理解しておいてください。
- ハートビル対応の必要な部分、設備などをチェック (作図後もチェックします)
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| ■ 3.屋外施設、その他の施設 |
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| ◆ 広場的なもの、駐車場、ゴミ置き場、緑化計画など |
- 広場的なものとか、緑化計画など
街並みを形成していくうえで必要なことが要求されている場合や、利用者や近隣の人達が使用する広場的なものが要求されます。美しい街並であるとか、道路際の空間を豊かにするとかの意図が含まれています。利用者や地域の人が利用する広場においても、使い勝手や周辺状況・所要室との相互関係に留意して配置すれば良いでしょう。
- 緑化は試験でも実務においても重要な要素の一つです。街で緑化計画の豊富な建物の周辺を歩いた時には、どのような緑化によって建物と敷地周辺が緩衝されているかをチェックしておきます。
- ゴミ置き場は周囲に気をくばり、植栽などで隠しましょう。ごみ置き場を忘れてしまい、後になって玄関の横に配置したり、あまりにも奥まった位置でゴミ収集が出来なかったりするようなことのないような計画の進め方をします。サービス用駐車場との併設も候補として考えます。都市部ではカラスの被害が多く、試験でも屋根付きになるかも知れません。
- 駐車場については、「1.敷地及び周辺状況の整理」で触れていますので省略。駐車場周辺の緑化も必要です。
- ■ ゴミ置場と関係する出入り口までの距離が気になるのですが?
近い方が使い勝手は良いのですが、道路から近い所に配置したりやサービス用駐車場との併設などにより、建物出入り口からは距離的に長くなることもあります。神経質にならずに、出来るだけ近い位置にということで良いと思います。
ただし、距離は短くても、ゴミ出しの動線がメインアプローチを横切るような計画は避けます。
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| ■ 4.所要室 |
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| ◆ 特記事項について |
- 所要室の特記事項には各所要室の形態を示すものが書かれていて、大きく分けて2つの要求事項があります。
- 直接的な要求 (さらに小さい部屋割り、天井高、設備・備品等、階指定など)
- 利用形態 (利用方法)
- 直接的な要求 : 特に説明することはありません。要求は全て図面に反映します。
- 利用形態
計画の要素全般に関連する指示事項が書かれています。動線・配置に関すること、利用のされ方、課題の特色に関連すること・楽しい利用を促すこと、など様々です。これらのことについては、何らかのアクションを起こさなければいけないということです。自分でそのアクションが見つからない時には、自分の計画能力がまだ不足している部分かも知れません。
■ 実例を列記します。
| 室名 |
特記事項 |
※アクション |
| 喫茶 |
他の部門と独立した管理とする。
外部からも利用できるようにする。 |
異種用途区画 |
| パントリー |
食堂と隣接させる。 |
厨房 − パントリー − 食堂 の動線をスムーズに。
ダムウェーターが必要であれば、効率の良い動線を考慮する。 |
| ラウンジ |
ある部門の休憩・交流・待合の場とする。 |
部門内の各所要室の配置から、休憩・交流・待合の用途に適した位置を考える。
受付 − ラウンジ − 所要室・トイレ の動線など。 |
| 浴室 |
湖の景観を楽しむことができるようにする。 |
浴室の建具を大きくとるような配慮。 |
集会室
主用途 集合住宅 |
地域住民も利用できるようにする。 |
動線分離。
近隣住民のアクセスは、主用途のエントランスを通らず、直接集会室へ。
集合住宅からのアクセスは、集合住宅用のエントランスから、集会室用のエントランスへ。 |
事務室
主用途 事務所ビル |
柱無し空間とする。(SRC 3階〜7階) |
計画がスパン14m必要であれば、梁せい900、天井内のダクト500+天井高さ2500として、約4000の階高が必要。 |
※アクション : 一例を示すもの。課題ごとの要求に沿ってください。
■ 過去問の再利用
すでに練習済みの過去問を利用し、特記事項を流し読んでみます。そのなかで、特記事項に対してどのように対処すれば良いか考えてみましょう。対処のスキルが鍛えられますし、意外と簡単なのでは?と思えてきます。
- その他
各部門の利用時間帯による動線分けの配慮、外部施設との連携などが要求事項となります。
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| ■ U.要求図面等 |
- 作図関係の要求事項。勉強の初期段階の方を除き、記入漏れをする人はほとんどいません。
- 作図のタイム短縮のコツは、作図中に次に書くべきことを頭に浮かべておき、間を置かずに次ぎから次へと書きます。本を声を出して読む時に、目は声より先を見ていますよね。これと同じです。
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| ■ エスキス |
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| ◆ スパン割の仮定1 基準階のある場合 |
- 課題で7階程度の階数がある場合は、3階から7階までは同一プラン(基準階)になると思います。この場合は適正なスパン割を基準階で決めるのがセオリーです。
事務所、集合住宅、老人施設等の個室階などに基準階の計画問題出やすいと思います。
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| ◆ スパン割の仮定2 いろいろな大きさの室や用途で構成されている場合 |
- スパン寸法の仮定要素としては、敷地境界から外壁の後退距離を差し引き、7mで割ったスパン数は = N として、以下、
- NスパンでそのままXY方向とも納まる場合。
- Nスパン±1スパンでスパン寸法の調整する場合。 (例:全て6.5mスパン 7m×2と6.5m×5スパン、8m×2と7m×4スパンなど)通常はNスパン±1スパンが妥当な範囲。
- 横長な所要室から適正な仮定スパンを得る場合。
- 大空間の室から適正な仮定スパンを得る場合。
- 同じ所要室が並ぶグリッド(集合住宅、宿泊室等)は、同じスパン寸法とし、残りのスパンを変化させる場合。
などがあります。実務での計画と同じく、b.を中心にして、c.d.e の考え方で補っていきます。
試験課題でも実務においても、だいたい c.d.e で決まっていきますので、要求事項の中から c.d.e の性質を持つような部分をピックアップして検討してください。
- 中ぐらいの大きさの室では、パターンは以下、(結局、基本パターンなどは無いということになると思います。)
- 1スパン×1.5スパン
- 1スパン×スパンから廊下幅員を差し引いた大きさ
- L型 (室の所要面積に厨房や脱衣室などの付属部分が含まれる場合)
- スパン割を片方向無視したタイプ (柔軟な対応になります。日々の勉強がないと無理)
- スパン割を両方向無視したタイプ ( 〃 )
1つの試験問題にa〜cのタイプと、d〜eタイプのような室がばらまかれているので、所要室の指定面積のみでスパン割を確定することは無理です。配置計画全体でスパン割を確定します。
スパン寸法は、「もしダメだったら変更する」というあいまいな方法が良く、着手時は7mグリッドをベースとして変化させて行けば良いでしょう。d〜eについては、実例を見ることも必要ですが、計画のエキスパートであっても、自分で消しては書き、消しては書きの繰り返しとなります。エスキスとはこういうものなのです。
余談となりますが、エスキス解法について算数の公式的なものはありません。割り切った言い方をしますと、要求事項を基本に、いいかげんな配置計画から始めれば良いのです。古代ローマの頃から大建築の計画はありますが、いまだにエスキスの公式が無いのは、エスキスが有機的だからです。計画は「混沌としたものから始まる」と、どこかの建築家が言っていましたが、的を得た表現だと思います。公式的なモノを求めようとすればするほど、「計画」の要領に気が付くのが遅れてしまうようです。
- スパン寸法の仮定要素としては、敷地境界から外壁の後退距離を引き、7mで割ったスパン数は = N として、以下、
- 敷地境界から外壁の後退距離を引き、7mで割ったスパン数は = N として
- NスパンでそのままXY方向とも納まる場合。
- Nスパン±1スパンでスパン寸法の調整する場合。 (例:全て6.5mスパン 7m×2と6.5m×5スパン、8m×2と7m×4スパンなど)通常はNスパン±1スパンが妥当な範囲。
- 横長な所要室から適正な仮定スパンを得る場合。
- 大空間の室から適正な仮定スパンを得る場合。
- 同じ所要室が並ぶグリッド(集合住宅、宿泊室等)は、同じスパン寸法とし、残りのスパンを変化させる場合。
などがあります。実務での計画と同じく、c.を中心にして、d.e.f の考え方で補っていきます。
試験課題でも実務においても、だいたい d.e.f で決まっていきますので、要求事項の中から d.e.f の性質を持つような部分をピックアップして検討してください。
- 受験者は、どのスパングリッドが面積誤差を吸収しやすいかを知っておけばよいでしょう。
以下、各スパンでの面積吸収の表です。
| スパン |
吸収できる面積誤差 (1割分のu) |
対応可能な所要室の面積 |
| 1マス |
1.5マス |
2マス |
| 7m×7.5m |
5.2 |
7.8 |
10 |
50,80,100 |
| 7m×7m |
4.9 |
7.3 |
9.8 |
50,80,100,150 |
| 7m×6.5m |
4.5 |
6.8 |
9.1 |
70,90 |
| 7m×6m |
4.2 |
6.3 |
8.4 |
40,60,80 |
| 6m×6m |
3.6 |
5.4 |
7.2 |
50,70 |
- 上記の表で、飛びぬけて対応可能なスパンは無いのですが、比較的 7×7 グリッドが対応しやすいことがわかると思います。
ある特定のグリッド寸法に慣れてくると、それを基準尺度としていろいろなスパン割に対応できるようになります。
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| ◆ 動線とブロック(部門)配置 |
- 「動線分離」は特に建築をやっていなくても解ることと思いますので、説明は省略します。
- 「周辺の環境に配慮して・・・」というキーワードがよくあります。(勉強の初期段階の方へ)
これは、「所要室のなかで周辺環境にマッチする室を設定しているので、その室を配置してください」と言っています。
周辺環境と性格が同じような室の配置、周辺環境に適合しやすい室を建物外周部の室の候補に上げることで計画は進んでいきます。
この時点で室の配置に2個所の候補が上がってくれば特定しないでもよいでしょう。決めれないことに焦るのではなく「どっちでもいいのかも?」と考えるのが普通です。問題をよく読んでも決められない場合は、どちらの配置でも合格する場合がほとんどです。また、作業を進めているとある1個所に確信がもてる場合もあります。
- 次に所要室に階指定の無い場合の考え方
この場合、縦動線の振り分けを考えるようにしましょう。階別にブロックを振り分ける場合いくつかのパターンで比較すると以外と簡単に判断できます。
平成14年度の試験を例にとって考えて見ましょう。
生涯学習部門とスポーツ施設部門(プール室は2階)があり、建物階数は3階に設定されています。
- 1階 生涯学習 2階 スポーツ施設部門(プールなど) 3階 スポーツ施設部門
- 1階 スポーツ施設部門 2階 スポーツ施設部門(プールなど) 3階 生涯学習
の2パターンを比較してどちらが良いかを決めれば良いことになります。
利用者や管理者にとっての利便性・機能性を考えなければいけません。自分が、利用者の立場に立って計画を進めて行かなければ、試験が求めている適切な計画にすることは難しいでしょう。
検討に入ります。
- 生涯学習部門を使用する場合で、もし自分が老人である場合は1階にこの部門が在るべきである。
- 自分がスポーツ施設部門を使用する場合、健康であるのでどの階にその部門があっても問題はない。水着姿やレオタード姿で移動する場合、他の部門の利用者と目に触れるのは計画上好ましくないと思う。
- aのパターンだと縦動線で分離できる。
したがって、動線分離ができて、生涯学習部門にやさしいaのパターンが適切と考えます。
本試験で同じ部門が2フロアにまたがる場合、所要室の関係の深さを考慮しながら、動線の流れを損なうことのないようにフロアごとの振り分けをします。
- 多人数動線 (集会室や多目的ホールを使用する場合の動線です。)
避難上は1階に多人数動線があると良いのですが、構造的に大スパンで高い天井高さが必要なため、構造的に上階に室を配置しないで済む位置や、最上階に配置されることがあります。
ホワイエなども必要となり、部門自体が大きいボリュームになるので、配置計画の初期段階で必要スペース的なチェックをしておきます。また、多人数動線が、関連性の少ない部門を経由して行くようなことは避けるようにします。
試験で何処に配置して良いか解らなくなったら、そのような種類の問題傾向として受け止めます。問題の出題者は受験者にその適切な処理を期待しているわけです。わからなくなったら他の所要室の配置から検討してみるのがセオリーです。
- 広場等の外部施設へ動線が指定されている場合は、利用者にとって有効に生かせる配置計画や、外部施設と内部施設の相乗効果が出てくるような考えを持つことで本命の計画に近づきます。(たとえば、「こう使えば、楽しそうだ」とか。)そもそも、問題の作成時には、このような考え方で計画されていますので、解答する受験生も同じ考えをしていくことで良い結果か出るんですね。
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| ◆ エスキス開始 |
- 試験課題の内容から読みとれる敷地の周辺状況、アプローチの位置などによって、いくつかの所要室の位置が定まりかけている段階です。
- エスキスは利用者・管理者の両視点で。
課題全体を、利用者や管理者にとっての利便性・機能性に視点に置いて考えます。また、利用者にとって喜ばしいと思われるような考え方も良い助っ人となります。
- 一般的によく知られている「丸書きのゾーニングプラン」を動線をチェックしながら書いてみます。
- 敷地周辺状況に適した室の配置
- ホールに入って「右、左、前方」の3つの方向へのスペースと動線分離
- 2階〜にあがって、およそのEV位置から「右、左、前方の動線、吹抜けのスペース」
- 駐車場などの外部施設
- その他の丸書きができる部位
この段階は、要求事項から理想的な形態を気軽にスケッチします。スケッチは、これからの計画作業の「仮定」であり決定事項を多く含むものではありません。
■ 結果的にはゾーニングとエスキスの最終形態がほぼ同じとなることもありますが、最初のゾーニングで、要求事項から明確根拠をもって配置できる部分は1〜3箇所ぐらいでしょう。自分の「思い込み」による決定事項は、計画の発展性を狭めてしまうデメリットを持っています。明確な根拠のある部分と、自分が決めた事項は分けて認識し、これからの作業を進めていきます。
- 方眼紙1マスを1グリッドで、具体的に計画していきます。
勉強の初期段階でははスケール感がつかめず難しいと思いますが、勉強が進むに従って出来るようになります。勉強の初期段階では、1/400〜1/200でのスケッチで考えます。慣れて来ると、1グリッドに占める計画各部のパーツの大きさと雰囲気が解ってきますから、その段階から方眼紙1マスを1グリッドで計画すると良いでしょう。
■ この段階では、建物のプロポーションや所要室の配置が決まってきます。前項のゾーニングで建物の形が見えてくることもありますが、仮定が妥当であるか、別の配置計画でないとうまく計画が進まないのかが解ってくる段階です。
■ マス割的配置では対応できそうにない部分もわかってきます。そのような部分は計画のポイントになる部分としてとらえます。以降の作業のために、さっさとマス割配置に「見切り」をつける部分と、そうでない部分のメリハリをつけていかなければなりません。
試験問題の読解力は十分あっても、この段階で要求事項を具体化するための様々な問題が出てくると思います。配置が困難だからといって主要な部分の利便性・機能性などを妥協してしまうのは、まだ修行が足りないことを示します。。
■■ 利便性・機能性などを全てにおいて守らなければならないのですか?
そのような必要はありません。計画の実務を担当している方はご存知でしょうが、計画は何かの利便・機能を得ようとすると、他の部分の利便・機能等を捨てなければならない場合があります。重要度が少ない部分では、バランスを考えて「妥協」しましょう。ただし「ランクT」の実力がある人に対しては「妥協」という助言は有効ですが、それ以外の方には「妥協」は助言になりません。勉強中に「妥協」した部分について不安があるならば、添削時に質疑を挙げてください。
- スケールが1/400でのスケッチに移ります。
勉強の初期段階ならば、エスキスがまとまらないと思いますので、A4〜3サイズの方眼レポート用紙を用意して何枚もスケッチします。また、合格レベルの実力であっても、スムーズにまとまることは稀であると思って下さい。
■ 上記3番と4番の反復作業になる場合が普通です。この過程はエスキスの勉強で「気概」が必要で、2回程度の反復であきらめてしまうようでは合格は無理です。練習課題をこなす量と、合格に必要な実力がつく度合いは比例しません。「悩む量」と「実力がつく度合い」が比例関係にあります。
■ 次の点に注意してエスキスします。(本試験問題の採点のポイント。)
- 敷地の空きスペースを有効に利用
- 建物の配置計画に無理がないか?
- 各部門の配置と利用者の流れは適切に。(動線分離、避難時の配慮)
- 要求事項による各室の計画を満たす。
- 課題の特色に沿った計画
- 特色のある追加施設の意味を理解し、計画しているか?
- 構造、設備に無理はないか?
- 各項目を一言でまとめると「利用者・管理者にとって利便性・機能性を持っているか?」
小手先のエスキステクニックは、まだ実力がついていない時の安心にすぎません。採点のポイントと同じ上記の内容でエスキスを進めるのが勉強・本試験ともに最強です。使用済みの過去問の問題文と上記のリストを照らし合わせ、スキルを補強して下さい。
■ エスキスの途中段階で模範解答を見てしまうと、その時点で模範解答のエスキストレースになってしまいます。計画というものは、模範解答によって脈絡のない考えが入ってくるとバラバラに崩れてしまいますし、反省点の見いだせない結果に終わるでしょう。自分の力で判断しながら、そこそこまとまったエスキスにしていく経験が必要です。へんちくりんな計画であっても、自分の力でした計画は、天然の明確な欠点を持っていますので、勉強としては上質な材料なのです。
■ 製図試験の合否の幅は大きく、様々なプランでも減点が規定以内であれば合格します。模範解答が全てのように思ってしまうと進歩はありません。模範解答にケチをつけましょう。
■ 模範解答と自分のエスキスを見比べる時に、見た感じで「模範解答と違っているかどうか」の評価してはいけません。自分のエスキスに筋が通っていれば問題はありません。何度も書きますが、合格図のパターンは沢山あります。もし不安であれば添削時に質疑を挙げて、「不安解消」をするのが良いでしょう。
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